名探偵 宵宮月乃5つの事件/関田涙

名探偵 宵宮月乃 5つの事件 (講談社青い鳥文庫)

名探偵 宵宮月乃 5つの事件 (講談社青い鳥文庫)

 メフィスト賞作家である関田涙さんの児童書です。今回は、マジカルストーンはお休みして、このシリーズで名探偵ぶりを見せてくれている美少女・宵宮月乃ちゃんが解決する、5つの事件のお話。もちろん相棒で親友でもある、空手が得意な朝丘日向ちゃんも登場しています。また今回は、懐かしい人達も駆けつけてくれて、オールキャストならではの賑やかさに、楽しさも倍増。相変わらず可愛らしいイラストと一緒に謎を解いていくことができます。
 5つの事件は、やはり小学校5年生の女の子が解決するというので、日常の謎系のミステリになるのかな。しかし一つ一つは短いお話ながら、ぎゅっと中身が詰まったバラエティに富んだミステリで、とても楽しく読めます。
 例えばコンピュータの0と1の話になると、情報処理の分野では○○○という数はよく使用されるキリのよい数字だとか、ちょっと専門的なことが出てきたりしてびっくりしたり。そうかと思えば魚拓なんて渋い趣味の話もあり、あるいはフルウイッグとかレッドヘリングとか、また聞いたこともないグッチーなんて言葉もでてきて、へええ、と感心することが多かったです。パロポ族やソフィスティケイテッド・レディーもネットで調べてみました。その中で一番嬉しかったのが、黒糖モンブランを食べるシーンが出てきたこと。食べたことがなかったので検索しまくって、いつか食べてやるぞと決意したという。
 というように、可愛くて美味しくて楽しいお話がいっぱい詰まった一冊でした。
 え? 謎のほうはどうだったかって? ははは、難しすぎてちっとも判らなかったです。