12月の読書メーター

 中旬からほとんど本が読めなくて残念でした。好みだったのが、『黒百合』と『森に眠る魚』と『イノセント・ゲリラの祝祭』。とくに『黒百合』は文学作品としてもミステリとしても素晴らしかった。

12月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3040ページ


イノセント・ゲリラの祝祭イノセント・ゲリラの祝祭
会議室でのやりとりが多いせいか派手なところはないが、それぞれの立場の思惑が興味深くて、非常に楽しく読めた。やはり白鳥がでてくるだけで、何をしでかしてくれるかとわくわくする。それに巻き込まれる田口先生の慌てぶりも可笑しくて楽しい。
読了日:12月28日 著者:海堂 尊

名探偵 宵宮月乃 5つの事件名探偵 宵宮月乃 5つの事件
大人の読者にも楽しめるように色々と配慮してくれているのがわかる濃密さ。バラエティに富んだ日常の謎は、難しくってちっとも判らなかったけど、月乃ちゃんがすらすらと解いてくれて気持ちよく読めた。イラストも可愛いし言うことなし。黒糖モンブランが食べたいぞ。
読了日:12月23日 著者:関田 涙

殺人鬼フジコの衝動殺人鬼フジコの衝動
ミステリというのは判った。しかしラストで驚愕するまではなかったので、きっと誤読していると思う。それを思うと夜も眠れない。ていうか、フジコの小学生時代のいじめと虐待が凄まじくてうなされそうだ。だから誤読が気になるものの、もう一度最初から読む体力は無い。けど、誤読が気になって気になって。誰かネタバレですっきり解説してくれないかしら。真梨幸子、ほんとに凄かったよ。
読了日:12月21日 著者:真梨 幸子

森に眠る魚森に眠る魚
なんかすごかったなあ、ママ友たち。角田光代、上手すぎる。リアリティがありすぎて、捲る手が止まらない止まらない。過ぎ去った日々を懐かしく思い出したり。ほんとよかったよ、ワタシこの中に入らなくて。しかしラストはあっけなかった。これからもっと修羅場があると思っていたのに、残念。ママ友たちのあまりの壮絶さに疲れたのかしら、角田光代
読了日:12月17日 著者:角田 光代

北緯14度北緯14度
ここまで書いちゃって大丈夫なの?という余計な心配をしつつ、でも絲山節を堪能した。ごちそうさま。
読了日:12月13日 著者:絲山 秋子

おばさん未満おばさん未満
なんだかなあ。
読了日:12月13日 著者:酒井 順子

オリンピックの身代金オリンピックの身代金
たまらんくらい面白かったが、ラストがちょっとなあ。これで大団円だと言われたら、なんともやるせない思いがする。すべてを描けとは言わないが、結局、富の一極集中とか、東北の貧農問題とか、国家権力への憤りなどが、有耶無耶にされたようで悲しい。
読了日:12月12日 著者:奥田 英朗

造花の蜜造花の蜜
最後にもっと大掛かりなサプライズがあるのかと待っていたのだが、拍子抜けるような小粒な展開でムムムとなってしまった。面白いんだけど時間がかかってしまったのは、やっぱり冗長だったせい? 
読了日:12月09日 著者:連城 三紀彦

TOKYO BLACKOUTTOKYO BLACKOUT
いや、こんなもんかなーと。話が分散しているせいか、わくわく感がいまいち。結局、それぞれの繋がりもわからなかったし、読了の達成感もなかった。
読了日:12月04日 著者:福田 和代

黒百合黒百合
傑作。甘酸っぱい青春モノとしてぐいぐい酔わせてくれたかと思うと、最後にするりと仕掛けを見せてくれた心意気。その手腕に脱帽。
読了日:12月04日 著者:多島 斗志之


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