
- 作者: 今市子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/10/07
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
小さい燈子ちゃんがお母さんと離れ、おばさんのうちで雑巾掛けをしてバケツをひっくり返したとき「本当に不器用な子なんだから」と罵られながらも、健気に修行に励む姿にじんとくる。後で知るおばさんの思いにほろりとした「狐使いの跡継ぎ」の話は絶品だった。
妖怪鳥、尾黒と尾白を自分のものにしようとしている、大人気ない開伯父さん。実年齢は47歳だが、異界に幽閉されていたので、精神年齢は20歳くらい? その開に対して、甥の律の容赦ない言動には爆笑。そりゃ自分の大事な式神を狙われていたら、いくら普段から爺むさい律でも、きりきり怒るだろう。しかしなんで律の式神にそんなに執着しているんだろ。でもそんな開だから、登場しただけで、今度は何をしてくれるんだろうと楽しみだったりする。
こんな能天気な開と正反対なのが、父親である飯島怜。すでに故人だが、若き日の怜の、自分を諌める夏の儀式「付け馬」は切ない。
やはり今市子の『百鬼夜行抄』は良い。何度も読み返して堪能した。