8月新刊備忘録

7&Yより

最近も『かもめ食堂』でヒットをとばした著者の励まし更年期エッセー。中高年なら誰にでも体力低下、容姿の衰えはじわじわと忍び寄る。老眼にお肌のトラブル、冷え性に体重増加とストレスの種は尽きないけれど、でも無理はしたくない。そこで、健康の維持回復のための小さな工夫の数々を教えます。体調不良、心も不調な統べての人々に贈る、群式「ぬるい生活」の極意とは?

失踪した後輩が通っていたのは、いっぷう変わった料理店。予約のたびに場所が変わり、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれる。

  • 8/21 新堂冬樹「ぼくだけの☆アイドル」光文社/ISBN: 433492509X

アキオは25歳。彼女なしの独り暮らし。昆虫ショップのアルバイト店員をしているが、後輩にも軽んじられ、店長にはにらまれっぱなし。そんなアキオが、売り出し中のアイドルタレント・みーちゅんに運命的なものを感じ、自分の妄想の中で、彼女との会話を続けていくうちに……。

  • 8/21 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」光文社/

メルカトル図法によって書かれた地図による独り語りという奇抜な手法を用い、幻想ホラー小説として高い完成度を誇る表題作をはじめ、奇想を駆使して読者に襲いかかる、問題作揃いの短編集。ホラー、鬼畜系と総称されてきたジャンルにとどめをさし、さらに先へと読者をいざなう。

  • 8/21 柴田よしき「銀の砂」光文社/ISBN: 4334925138

人気作家・豪徳寺ふじ子が流産で入院した。売れない作家でかつてふじ子の秘書だった珠美は、知らせを聞いてふじ子を訪ねる。その日、帰宅した珠美をフリーライターの島田と名乗る男が訪ねてくる。男は珠美の元恋人で俳優の芝崎夕貴斗について調べていると語る――。

  • 8/21 石持浅海「顔のない敵」光文社カッパ・ノベルス/ ISBN: 4334076394

地雷除去NGOの坂田は、東南アジアに埋められた地雷を取り除くため、派遣されている。某国の農村で地雷除去に励むなか、国会議員の息子・チュオンが地雷により、爆死する。その傍らには、地雷で足をなくした少年、コンがいた。チュオンの死体に、坂田はある疑念を覚えた。

夫の旧友・隆とは30年近く家族ぐるみの付き合いをしてきた「私」。実はかつて一人旅した時、現地に単身赴任していた隆を頼って一晩泊めてもらったことがあった。形にならなかった恋の記憶は今も二人の間に濃密に漂って…

行くあてのない不良少年・竜二は、落語家笑酔亭梅寿に弟子入りさせられる。梅寿はとんでもない飲んだくれで、暴力師匠。しょっちゅう竜二をどつきまわし、大酒をあおり、暴れている。ある日、竜二は若手噺家のグランプリを決める「O-1」の決勝戦に出場することに。一緒に出場した東京の噺家・東西亭豌豆は出演として必要とされる以上に大阪の噺家をばかにし、こき下ろす。東京代表3名にボロ負けした竜二は、東京の粋な落語に上方落語はかなわない、と落胆する。しかし、帰り道で偶然豌豆の落語会に迷い込んだ竜二は、豌豆の意外な姿を目にする…「蛇含草」他6篇。東京の落語、テレビで活躍する噺家、客のエネルギーを「トリ」に集中させるための「モタレ」など、様々な噺家にスポットを当てた、更に場洗えティ豊かに進化する本格落語ミステリー短編集。

第一部では三人の中学生が、それぞれの事情から殺人者になるまでを、彼らの内面を克明にたどる。その3人は同じ少年院に収容され、「更正」を大義名分にした過酷で陰湿な仕打ちを受ける中、連帯感を抱き合う。(第二部)

第三部。三人はそれぞれの意志を持って社会に戻ろうともがくが、周囲の視線は冷たく、再び連絡を取り合うようになる。出生の謎や、嫌がらせの相手も明らかになる中、他の犯罪少年たちも加わってある計画が立てられる。

  • 8/29 太田忠司「忌品(いみしな)」トクマ・ノベルズ/ ISBN: 4198507112

「道具」に秘められた魔の力と、それに引き寄せられてしまったひとびとを描くホラー短編集。 問題小説に収録6作品ほか8篇を収録。

  • 8/29 海月ルイ「京都祗園迷宮事件」トクマ・ノベルズ/ ISBN: 4198507104

京都の街を舞台に、女たちの愛憎劇を描いた書下し長篇本格推理。サントリーミステリー大賞受賞者、トクマ・ノベルズ初登場!

幻のデビュー作「異類五種」を含む芦辺拓ファン待望の怪奇幻想短篇小説集。単行本未収録の初期作品から花筐城太郎シリーズまで収録。

気づけば僕は「自分が産まれなかった世界」にいた。街並みや社会に大した違いはないが、そこでは、死んだはずの恋人が生きていた――。新鋭の描く青春ミステリ。

森博嗣初の映像化作品!120年前に仕かけられたカラクリの秘密とは?郡司と栗城は貨車(トロッコ)&廃墟マニアの大学生。学部のマドンナ的存在、真知花梨に思いを寄せていた栗城は、彼女の実家に工場の廃墟があることを知り、郡司とともにそこに行きたいふりをして、彼女に相談を持ちかける。うまくことが運び、その村の名家の長女であった彼女に家に泊めてもらえることに。夏休みを利用して訪れた彼らは、その村に伝わる「カクレカラクリ」の言い伝えを聞く。

  • 8/31 乃南アサ「風の墓碑銘(エピタフ)」新潮社/ ISBN: 4103710071

「千鶴子事件」は予言されていた! 撲殺事件絡みで発見された古い白骨死体が三つ、うち一つは嬰児――音道貴子と滝沢の名コンビ復活が嬉しい長編警察小説。

  • 8/20 新堂冬樹「底なし沼」新潮社/ ISBN: 4104732028

返せないのになぜ借りる? エグイ取立に追い込まれ、足掻くほど沈んでゆく債務者――。借金で借金を返す無間地獄、真の闇金ををえぐり出した極悪金融小説!

本やタウンより

忽然と姿を消した一家を追跡する女性ライターは、次第に家族の背後の闇に迫ってゆく。一方、都内では謎の通り魔事件が頻発していた。

政治・思想犯専用の特別収容所「K七号施設」に入れられた亞宮柾人。囚人たちの知力と暴力とが交錯する、待望の近未来ミステリー。

連続バラバラ殺人事件に翻弄される警察。犯行現場の田舎町に「平和」は戻るのか。いくつかの「断片」から浮かび上がる犯人は。

  • 8/25 マシュー・ライリー「7ワンダーズ(上)」早川書房/ISBN: 4152087552

古代世界の七不思議に隠された七つの秘宝が一つになったとき世界に何が。畳みかけるアクションと壮大なスケール。『下巻』同時刊。

ある朝、少年は父を殺そうと思った。母を罵倒し暴力をふるう父に対し、少年は恐怖を覚えていた。そんな彼が父を殺す決意をしたのは。

子どもたちの母親である妻は、癌が再発し入院している。この世界に生と死があることを、子どもたちに伝えなければならない。

魔法の木が空を飛んだ。日高山系で続発する奇怪な木の移動は、やがて殺人事件へと発展する。トリック乱れ打ちの本格ミステリ

死なない「力」を獲得した奇跡の男、八木剛士。これまで苛められ、蔑まれつづけてきた人生に最大の転機となる事件が勃発する。

早川書房より

  • 8/10 牧野修「月光とアムネジア」ハヤカワ文庫ミステリ/ISBN: 4150308594

〈余人の追随を許さぬ複雑怪奇長篇〉記憶障害を引き起こす異空間に逃げ込んだ、伝説の殺し屋を捜せ! 書き下ろし幻想SF
60年間、誰にも姿を見られることなく殺しを続けてきた伝説の殺人者、町田月光夜が〈レーテ〉に入った。〈レーテ〉とは、入りこんだ者の記憶を三時間ごとにリセットし、重篤認知障害を引き起こす特殊空間が、直径数キロ以上にわたって出現する現象なのだ。月光夜を追って〈レーテ〉に進入した捜査部隊は、謎の少女をはじめ次々と奇怪な現象に遭遇する! 余人の追随を許さぬ、牧野修の、複雑怪奇ミステリアス幻想長篇。

  • 8/25 小川一水「天涯の砦」ハヤカワSFシリーズJコレクション/ ISBN: 4152087536

〈ハヤカワSFシリーズ Jコレクション〉地球静止軌道上のステーションで起きた破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた一区画に、わずかに生き残った人々がいた。

氷と炎の歌1〉王妃の忌むべき罪を知ったエダードに、その地位ばかりか生命も脅かす陥穽が忍び寄る!

楽天市場より

異才・ゴーリーが選んだ古典的名作ぞろいの怪談集。ディケンズやブラムストーカーなど、じっとりと迫り来る恐怖、繰り返し読みたくなる奇想天外な恐さがあなたを虜にします!12作品すべてにゴーリーが描き下ろした挿絵つき。

東京創元社より

伝説の作家ドライヴァーの傑作ファンタジー『夜の旅』が秘める大手出版社の社長一族の秘密とは? その謎に魅入られたノラに殺人鬼の魔手が! ストラウブの最高傑作登場!

母のスミエに紹介されて、向かった先は風格のある寄せ棟造りの立派なお屋敷。そこで泉水を待っていたのは、一人暮らしの優雅な老婦人と、気のよさそうな通いの家政婦だった。亡き夫が残した本を朗読してほしいという老婦人の依頼に悪戦苦闘する泉水は、この屋敷に頻繁に無言電話がかかってきていることを知る。裏には怪しい少年たちの存在が? (第三話 八月の熱い雨)
ひとりで便利屋〈ダブルフォロー〉を営む青年・皆瀬泉水が出合う奇妙な謎と、依頼人たちの悲喜交々の物語。小説推理新人賞受賞作家が放つ、ハートウォーミングな連作集。

植物写真家の猫田夏海は北海道の撮影旅行の最中、「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。その建設に反対していたアイヌ代表の道議会議員が失踪する。折しも村では、街路樹のナナカマドが謎の移動をするという怪事が複数起きていた。三十メートルもの高さの巨樹までもが移動し、ついには墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の〈観察者〉に助けを求めた!〈観察者〉探偵・鳶山が鮮やかな推理を開陳する、謎とトリック満載の本格ミステリ