- 作者: デニス・ルヘイン,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
- 作者: デニス・ルヘイン,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
しかし、読み終えてみて感じたことは、いったい自分は今まで何を読んできたのかということ。結局、主人公たちが得たものは、なんだったのか。素晴らしいもののように描かれているが、失ったもののほうが遥かに大きく思えて、壮大な物語を読んできた割に、達成感も少なく、じんとくるものがなかった。
たとえば、普通に生きている黒人を、何の感情も交えずにいきなり銃で撃ち殺す警官がいる。吐き気を催す場面だし、この時代の人種差別の酷さを垣間見る思いがする。しかし、実は全篇にそれほど痛ましい描写があるわけでもなく、おぼろげに感じる程度なのだ。このように、物語の中に、真に迫るリアリティさを感じないのであれば、やはり自分は歴史小説を読む資格がないのだろう。