ライバル vol. 競争と協力と/柏枝真郷

ライバル vol.1 競争と協力と
ライバル vol.1 競争と協力と
柏枝真郷 古街キッカ

講談社 2006-11-02

asin:4062559137

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★★★★★
 十年にわたって読んできた(と、えらそーに言うほど熱心な読者ではなかったが。実際、最後は読んでない。すまん。)その「硝子の街にて」が、22巻で完結してやっと舞台がニューヨークから東京に移ってきた。ニューヨーク男二人の話もぐじぐじして良かったが、わたしが一番好きなシリーズは超マイナーミステリ作家・遠野遼一郎と、自殺志願の美青年・宮城篤志の二人が暮らす廃屋同然の洋館での話、「厄介な連中」だ。同じぐじぐじでも、こちらはさっぱりと突き抜けた感じが良い。さて、待望の新シリーズだが、まったく前二作とは違っていた。当たり前か。驚いたことに結構真面目なミステリーだった。といっても、警視庁捜査一課の準キャリアの刑事と新聞記者の二人の駆け引きが主である。大学時代サークルが同じだった同級生達が主人公なので、腐女子としてはやはり楽しい。や、全くBLではないが。
 事件は、首に紐を巻きつけられて絞殺されたような死体が公園で見つかる。交番に知らせに来たカップルはその後逃走し、駆けつけた警官は脇腹を刺され、虫の息になっても銃を両手で握り締めていたという。その横には倒れている若い女性の姿があった。犯人はカップルなのか。若い女性は自殺のようにも思えるし、いろいろと不可解な事件であった。
 刑事と新聞記者。一応ライバルという関係。仲が良いのかそうじゃないのか、お互い上手いこと相手を動かして一歩先んじて出し抜こうとするところが面白い。
 すでに二巻が出ているのでこれからどういった関係になっていくのか楽しみ。

追記

 これをアップして「柏枝真郷」をクリックしようとしたら、リンクされてなかったのね。仕方がなかったのでキーワードを編集しちゃったよ。だけど、このキーワードって、いつ反映されるの? せっかくしたのにまだリンクされない。つまんないなあ。