ちょいな人々/荻原浩

ちょいな人々

ちょいな人々

 面白い。荻原浩、上手すぎる。
 どの短編も面白くて、「ガーデンウォーズ」なんて、気に入ってしまって3度読んだ。で、なんど読んでも、ぷぷぷ、と噴出してしまう。
 隣のじいさんと隣の四十路の嫁が、見えない塀越しに隣家の無花果(いちじく)が、とか、隣家の菊が、とか、隣家の餓鬼が、とか、隣家の猫が、とか、いちいちいちいち歯噛みし、おのれ、こうなったら目には目を、と。
 まるでこちらの心を読み取ったように展開してくれるので、そうそう、こういうことってよくあるよね、とウケながら、ちょい変わった隣人たちの行状を楽しませてもらった。愉快愉快。
 お薦め。