大奥 2/よしながふみ

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 最近どうも漫画に対する情熱がなくなってきているようで、なあなあに読んでしまっている。そんな中で、よしながふみの大奥には読まされてしまった。そして怒涛のラスト。泣いた。理屈抜きにすごい。
 いや、今までも「よしながふみは天才だ!」などと熱く語っていたけど、今回の大奥はいつにも増してすごかった。これはよしながふみの最高傑作と言ってもいい。
 男女逆転の大奥。僧侶だった男が大奥に入ってひとりの少女と出会う。どこまでいっても気が滅入るような話が鬱々と進んでいく、江戸城内での話。なので、胸のすくようなところなんて何一つない。それなのに最後に見せてくれたのは、どうだと言わんばかりの、ほとばしる魂の叫びだった。これを愛と呼ばずして何と呼ぼう。
 これって、続きがあるんですか? これで終わっていたら良かったのになあ。でも、よしながふみのことだから、きりきりと胸がえぐられるような気持ちにさせてくれるんだろうなあ。次巻は一年後? ああ待ち遠しい。