11月新刊備忘録

*1:堀江敏幸氏による、読書をめぐるエッセイ集。■日経新聞土曜朝刊の連載随想が、待望の単行本化! 堀江敏幸さんがなれ親しんできた書物の頁の風景の中で、なにかの拍子によみがえってくる人の姿。「たいていはだれもが知っている人物の傍らの、淡い接触をしただけの存在で、顔の輪郭がはっきりしていないことさえあるのだが、思い出したらそのまま忘れて終わりというわけではなく、何年か経つと、べつの角度で刺激された記憶の片隅から、また不意にあらわれたりする。」「私は実際に、思い出されてはじめて、なるほどその折の景色のなかに目立たない見えない傍点が打たれていたのだと気づかされるような影たちと、何度も遭遇してきた。」――文芸作品の楽しみ、それは細部につまづくこと。「読む」ことをめぐる52篇。Amazonより

*2:「僕に解読できない戒名などこの世に存在しない」 有力檀家のルーツ探しに仏教界のイメージアップ計画、巨大コンテンツメーカー創始者の生前戒名をめぐる遺産争い……煩悩まみれの高校生・春馬が仏教インテリ外場に頼り切って謎を解く「他力本願」ミステリー!e-honより

*3:共に暮らす青年眞宙が実の父親ではないことを知りながら側に在り続ける事を望む平良。彼の左腕に残る火傷の痕に隠された真実とは…。Amazonより

*4:〈クイーンの定員〉に選出された傑作短編。フロジェ判事が探偵役の「十三人の被告」と行動派刑事G7が活躍する「十三の謎」を収録! 至高のフレンチ・ミステリ! Amazonより

*5:事件現場で負傷したシーハン警視正は、復帰早々に大学講師エレノアの首吊り事件の捜査についた。当初は自殺だと思われたが、小さな手がかりから他殺であると見抜いた彼女は、自らが指揮する重大犯罪捜査局の総力を挙げて事件を追う。容疑者は行方をくらましているエレノアの夫。やがて、シーハン自身の故郷で新たな事件が起きる……連続殺人か? 周囲の懸念をよそに、シーハンは事件解決のために体を張った捜査に邁進する。姿を見せぬ殺人者との息詰まる対決。アイルランドの首都ダブリンに展開する白熱の警察小説 Amazonより

*6:二人の少女を旅芸人一座から奪い返し、無事に町まで送り届けたあと、ついにクォートはセヴェレンの大公のもとへ帰り着くが……!? Amazonより

*7:老提督は使節団を乗せた艦隊を率い、異星人との和平交渉締結のため、敵領域に向かう。だがそこには恐るべき罠が待ち受けていた! Amazonより

*8:「ルパンに作家人生を捧げた大先輩の愛あふれる大暴走!日本にしかない「バルネ探偵の事件簿」。贋作⁉ 真作⁉ これをずっと読んでみたかった」《「怪盗ルパン伝アバンチュリエ」作者・森田崇氏 推薦》 Amazonより

*9:二人の作家が、古今東西の名作絵画から着想を得て競作。名作絵画の背景を描くショートショートe-honより

*10: 父の失踪とともに消えた自転車は何処へ――。行方を追い、台湾から戦時下の東南アジアをさまよう。壮大なスケールで描かれる大長編。Amazonより

*11:不意撃ち。それは、運命の悪意か……人生の“予測不可能”な罠。人間存在を揺さぶる至極の作品集。e-honより

*12:あらすじは秘密、ヒントを少し。 双子/誕生日/瞬間移動 1年ぶりの新作は、ちょっと不思議で、なんだか切ない。e-honより

*13:人生、何が起こるかわからない(本当に) 下北沢の小さな書店・フィクショネスには、一癖も二癖もある面々が集っていた。癖の強い店主、筋金入りの「ロリータ」愛読者、大麻合法を真面目に主張する謎の男、大手企業で管理職に就く根暗な美形男性、そして、決して本を買わずに店で油を売り続ける、どこか憎めない女子・久美ちゃん。そんな彼女に新婚間もなく不幸が訪れる。それから十数年。ある日、久美ちゃんがお店にふらりとあらわれた。同じく懐かしい顔の男を伴って――。Amazonより

*14:ライブルック公爵低に招かれた伯爵家のきょうだい。絵を描くことが好きな長女リリーは、屋敷に所蔵されている名画を見たいと廷内をさまよっていたところ、物陰で突然抱き寄せられ、キスされた。放蕩者のライブルック公爵が、密会の相手と間違えたのだ。驚き逃げ出したリリーだが、公爵は純真な彼女に魅了される。そして翌日、自分の部屋にあるフェルメールの絵を見にこないかと誘い…… Amazonより

*15:マージーの娘はいよいよ小学生! 夫と義母のたっての希望で地元の有力者の子供が集まる学校に通うことになった。不安を抱えながらもついに明日は登校初日という日の深夜、マージーの勤め先の探偵事務所のボスから電話が。人助けのために死体運びをしてほしいと頼まれたけれど、犯罪現場を荒らすなんてできない。嫌々ながらも死体の顔を確認すると、娘の小学校の学園長だった! 家庭でも仕事でも問題山積みのマージーは、なにもかもをこなすことができるのか!? Amazonより

*16:ミステリーの名手・真保裕一の最新刊は、港町・横浜ならではの、出会いと別れの物語。 主人公は横浜市の港湾局みなと振興課で働く船津暁帆。ヨコハマ振興のため、舞い込んでくる大量の仕事に忙殺されている。猫の手でも借りたい状況の中で、配属された新人・城戸原泰成は、国立大学出身のエリートで、様々な難題をパーフェクトにこなす有能な男だった。カンボジアからの研修生の失踪事件や、フォトコンテストの応募写真を巡る謎、豪華客船「ダイヤモンド・テレジア号」体験ツアーでの幽霊騒ぎなど、数々のトラブルを暁帆と城戸坂の名コンビが乗り越えていく――。その過程で、二人は戦前の横浜の暗部を探り出す。「横浜港 大感謝祭」の開催が近づくなか、暁帆&城戸坂が辿りついた真実とは。 山下公園前に浮かぶ氷川丸や、象の鼻パーク、コスモワールドの観覧車、外国人居留地――ヨコハマの歴史的名所に、隠された謎を解き明かせ! Amazonより

*17:私たちは何者なのか――。神話とともに誕生し、万世一系天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、壮大なる叙事詩である!当代一のストーリーテラーが、平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!e-honより

*18:愛しのオーウェンと晴れて婚約したケイティに、魔法界のマフィアと言われる謎の組織コレジウムが接触してきた。コレジウムは以前からMSIの取乗っ取りを企てており、その目論見はいったんはマーリンに挫かれたものの、彼らの息のかかった社員はいまだMSI内部に多数いるらしい。マーリンは一計を案じ、逆にスパイを送り込むことに。となれば適任なのはケイティしかいない。結婚目前で潜入捜査? 大人気シリーズ待望の第8弾。e-honより

*19:人気俳優マークはある日、義理の息子の劇作家ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。「エルシノアの郊外」……それは17年前の、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。当時4歳の子供が、真相を知っている? マークは劇のキャストに立候補し、上演の日までともに過ごすことで、息子の真意を探ろうとする。ふたりが17年前それぞれ務めた役柄とは? 才人マガーが仕掛ける傑作演劇ミステリ。e-honより

*20:サラリーマン・鈴木、地上最強のリアリティ・ショーに挑む。人類は、地球に穴を貫けるのか? 日本 ブラジル間・直線ルート開発計画が今、始まる。選考委員驚愕の第55回文藝賞受賞作。e-honより

*21:放火犯として疑われた少年・信は、夏休みの予定を時間割にして書き出す。それは容疑と関わりが? 短編の名手による至極の作品集 e-honより

*22:自作小説あとがき、趣味に関する文章、作品解説など2003年から現在に至るまでの全エッセイ。e-honより

*23:毅、30代独身、自営業、資格ナシ  東北沿岸の地・赤街。わずか10畳の仮設の商店で、今日も3,413円のツケをめぐる攻防がはじまる。選考委員激賞! 第55回文藝賞受賞作。e-honより

*24:発端は公園で発見された少年の死体だった。捜査にあたったジャネットは、虐待と薬物の痕跡に注目。硬直化した組織の妨害にあいながら困難な犯人捜しをする。そこへ次の死体があがった。Amazonより

*25:捜査を続けるジャネットは、殺人犯の精神病理学のことでセラピストのソフィアに助けをもとめた。二人の女性は事件の真相に迫るにつれ、想像を絶する悪の構図に行きあたる。Amazonより

*26:ネイト・ロマノウスキはこぶしにハヤブサを止まらせ、きびしい表情で北側からヤナギの茂みに向かっていた。このあと生きものが死ぬ運命にある――ジョーピケットシリーズ最新作 Amazonより

*27:世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。世界の中心に横たわる謎、その正体は――? 読み出したら止まらない、ロマン溢れる冒険譚。Amazonより

*28:ベルリンで学んだゆとりある生活の知恵と工夫。母の死で受け入れた辛い過去。気ままに生きることが心から楽しくなるエッセー集 e-honより

*29:ベルリンに向かう列車、窓から殺人現場の見えるホテル、SMに魅せられた少女のいる人形店……華麗なる迷宮を彷徨う〈私〉の5日間。Amazonより

*30:被害者は、二度死んだ男。富豪の凍死体/全身血まみれの女。同時進行する謎に戦慄せよ!ノルウェー7週連続ベストセラー1位!話題沸騰の北欧ミステリー・シリーズ最新作。Amazonより

*31:美と恋に生きる名家の男たちは、書物を愛でるように、女と情を交わし、自由になるために、女から愛を求める。 東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、その果てに―― 日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編   大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―― e-honより

*32:大坂・堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は、一帯を襲った火事ですべてを失い、幼なじみの雨月が結ぶ庵のもとに寄寓して、衣食を共にするようになった。ところがこの雨月、人間の言葉で憎まれ口を叩く「遊戯」と呼ばれる兎を筆頭に、「妖し」を惹きつける不思議な力を持っており、二人と一匹の前に、つぎつぎと不可解な事象が振りかかるが――。 江戸時代中期の読本『雨月物語』に材を取った、不穏で幻想的な連作短編集。e-honより

*33:「好きなもののある私たちは、強いはずよ」ラジオ化&重版続々の大人気シリーズ、遂に完結! これまで、苦しんできた人達を救ってきた「マカン・マラン」の店主・シャール。今回、シャールを訊ねてきたのは謎の美青年。彼の決意や未来の話を聞く中で、シャールはこの夜食カフェを始めたきっかけを思い出す――。e-honより

*34:D・H・ロレンス最後の短篇小説集『馬に乗って立ち去った女 その他』から、作家が生涯追求した「本物の人間」、「人間本来の姿」が鮮やかに立ち現れる五作品をセレクトし、新たに訳した。e-honより

*35:1927年、パリ。銀行家の父を亡くしたマドレーヌ・ペリクールは、その莫大な遺産を相続する。しかし、その地位を狙う者は多かった。裏切りと詭計によりすべてを失った彼女は、復讐を決意する――。ゴンクール賞受賞作『天国でまた会おう』三部作、一気読み必至の第二作登場!Amazonより

*36:『天国でまた会おう』三部作、第2弾! 莫大な遺産を相続した女に襲いかかる魔手。窮地に立たされた彼女が選んだ道とは?『その女アレックス』の名手による傑作登場! Amazonより

*37:裏切りによりすべてを失ったマドレーヌ。彼女は復讐を決意する。ファシズムの足音が聞こえる第二次世界大戦前のパリを舞台に展開する、息もつかせぬ傑作サスペンス! Amazonより

*38:第8回アガサ・クリスティー賞受賞 水難事故で亡くなった双子の兄の身代わりとして、シングルマザーの母親に育てられた青年・岡本駿。彼は理不尽な家庭環境から逃げ出し、沖縄・那覇の水上店舗通りに辿り着いた。そこは太平洋戦争終了後、ガーブ川を不法占拠して建てられた沖縄社会のワンダーゾーン。駿は鶴子オバアや高齢フリーターの健さんといった、猥雑だが人情味溢れる人たちとの交流で生きる力を取り戻し、やがて「水上ラーメン」を開店するに至る。しかし開店当日、一組だけ来た男女のお客が水死体として発見される。不審な水難事件の謎を追うことになった駿と健さんは、ガーブ川の水上店舗建設工事の時代に暗躍した在日米軍とCIA、そして沖縄戦後史の闇と向き合うことになる……。Amazonより

*39:米ソ冷戦史の権威として名高いイェール大学教授が、同学と米海軍大学校で20年以上教えてきた「大戦略(グランド・ストラテジー)」講義を書籍化。孫子からリンカーンまで古今東西のビジョナリーたちの事績を通じて戦略思考の本質を伝授する、全リーダー必読の書。Amazonより

*40:甲斐駒ヶ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良東大寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。Amazonより

*41:DV、レイプ、性虐待、性の痛みと性への怒り……女として生きる先には、いつも困難が待ち受けている。ベストセラー『バッド・フェミニスト』のロクサーヌ・ゲイが描く、21の女たちの物語。e-honより

*42:ロンドン塔から大鴉が消え、ロンドンは瓦礫の町と化した。人々は言葉も記憶も失い、新たな支配者〈オーダー〉は鐘の音で人々を支配している。そんななか、物に触れて持ち主の記憶を読み取りる能力を持つ孤児の少年サイモンは、親友のリューシャンと、鐘の支配から人々解放しようと、〈オーダー〉の本拠地オクスフォードを目指す。世界幻想文学賞賞を受賞、ブッカー賞候補にも挙がった幻想文学の名作登場!e-honより

*43:ヘスターは砂漠に呑まれて消えた。以来抜け殻のようになってしまったトムだったが、彼の魂をゆさぶり起こしたのは、飛行商人として訪れた街で見かけた、故郷ロンドンの知り合いの姿だった。慌てて声をかけたが、相手は人違いだという。間違いないはずなのに何故? 廃墟となったはずのロンドンに何かが隠されているのではと思ったトムは、娘レンを伴い若き軍人ヴォルフと共にロンドンを目指す。見捨てられた地で彼らを待つものは? e-honより

*44:ヘスターはストーカーのシュライクに助けられ、今更トムやレンのもとに戻ることもできず、賞金稼ぎとして暮らしていた。だがレンと親しかった青年セオを偶然助けたことから、忘れたはずの過去が彼女につきまといはじめる。セオは〈グリーンストーム〉の内紛と陰謀に巻きこまれ、現将軍夫人と共に囚われの身となっていたのだ。ヘスターとセオは再びトムとレンに会うことができるのか? ガーディアン賞受賞、〈移動都市〉四部作完結。e-honより

*45:実験的にはじめた稀覯本のオンラインショップや、新設したコーヒー・バーなどが順調で、それなりに繁盛しているニューヨークの書店。オーナーのダーラは、書き入れどきの感謝祭を目の前にして張り切っていた。一方で、書店のマスコットの黒猫ハムレットは、相変わらず気ままに昼寝をしたり、シャーシャーと威嚇したり。そんな充実した日々を送っていたが、近所でとんでもない事件が発生して……。大人気の黒猫名探偵シリーズ完結編!e-honより

*46:星のふる晩、青年刑事ショーンは川に身を投げようとしている娘を救った。事情を尋ねると、彼女は悲嘆にくれた理由を語る。正確きわまりない予言をしてきた謎の人物に、信じがたい状況で父親が死ぬと宣告されたというのだ。実業家の父親を狙った犯罪を疑うショーンの要請で、警察は予言者の捜査を始める。予言に翻弄される人々を映し出す巧みな心理描写と、途切れることのない圧倒的な緊迫感。サスペンスの巨匠の真骨頂を示す不朽の名作!e-honより

*47:中高女子校で共に過ごした潤子、みさ緒、礼香。ただいま34歳。彼氏いない歴=年齢だった礼香が突如結婚することになった。潤子はにわかに焦り、結婚相談所に入会、みさ緒も腐れ縁のダメ男と手を切る。それぞれの道を進む彼女たち、その先にあるものとは――。 「婚活小説」の枠を越えて、アラサー女子のリアルな胸の裡が痛いほどの共感度で伝わる物語。e-honより

*48:明け方の港区芝浦のマンション前で焼死体が発見された。重ねられた自動車タイヤの中に立たせた人体を燃やすという残忍な手口は世間の耳目を集める。だが検視の結果、燃焼時には既に死亡していたこと、遺体は長時間冷凍されたものだったことが判明する。さらには、西新宿のビルの前で同様の手口の殺人放火事件が発生。新宿署の留置管理課に異動となった武本は、新宿署の特別捜査本部に応援にきた警視庁刑事総務課刑事企画第一係の潮崎警視と再会する。二人の接近を警戒する同捜査一課課長の下田警視は、同捜査二課知能犯捜査第一係の宇佐見巡査部長と、入庁二年目で捜査一課に抜擢された正木星里花巡査を、そのお目付け役として派遣する。人気シリーズ第四弾!e-honより

*49:養父による性的虐待を描いた自伝的小説「ファザーファッカー」。四半世紀を経て、今度は母の視点で凄絶な過去を見つめ直す力作長編。Amazonより

*50:終戦直後の昭和二十一年の初め、最高司令官総司令部(GHQ)の方針に従い、国会内の委員会で政府試案をまとめたが、GHQは拒否。そればかりか、GHQ憲法改正案を押し付けてきた。この案を翻訳し、日本の法律らしく形を整え、新憲法の下敷きにせよ、というのだ。わずか二週間で翻訳にあたることになったのは、内閣法制局佐藤達夫吉田茂外相と話す機会を得た佐藤は、GHQ案の問題点をまくしたてる。それを聞いた吉田は、佐藤に言った。 「GHQは何の略だか知っているか? ゴー・ホーム・クイックリーだ。『さっさと帰れ』だよ。総司令部側が満足する憲法案を早々に作っちまおうじゃないか。国の体制を整えるのは、彼らがアメリカに去って、独立を回復してからだ」 Amazonより

*51:「勝手に他のつまらない子供に、私のなかに入ってこられるのはごめんである。」 能町みね子、初の自伝的私小説!「今度の幼稚園はうちから遠く遠く離れた、大きなほこりっぽい交差点の角にある。空気が灰色に見える。この世のがけっぷちギリギリのところにあるのは確かだ。」 「私というのはだいたい人がさわってくるのだっていやなんです。」 「遊びは何よりひとり遊び。仲が良いのは姉、そして弟。それ以上のことはない。」 「私は汚いものを見たとき、何かが入ってくるような気がして反射的に口を閉じてしまう。」 「帰りのバスは優しくて正しい世界へと私を連れ戻してくれる。」(本文より) ――私小説です、たぶん。公式より

*52:誰もが”あの時“経験したはずの(そして忘れてしまった)とても静かで生々しい青春のざらつき。どうでもいいことが、死ぬほど大切だった–—本当に? 最後1ページ。歪められた青春の真実が明らかになるスクールミステリ。学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。彼女の自殺の原因は?もしくは本当に自殺だったのか。クラスメイトに配られたアンケートから見え隠れする、高校生たちの静かな怒り妬み欲望……。一人の少女が浮き彫りにした、学校という箱庭の中で生きる高校生たちの本当の顔。ヒエラルキー、マウンティング、役割分担、キャラ設定など。現代のスクール問題を繊細で美しい描写とエンターテインメントで描き切った青春ミステリ。公式より

*53:バスケ部で全国を目指す兄のもとに現れた来訪者の真意とは。そして、悲劇の連鎖の行方は――。究極の選択に心震える哀切のミステリ。 Amazonより

*54:その絵は、いつでもあなたを待っている――。パリ、NY、東京。世界中の美術館の片隅で繰り広げられる人間ドラマを描く極上の6篇。Amazonより

*55:大江健三郎エーコを始め、世界文学最前線から現代日本の気鋭作家まで縦横に論じ、宗教や老いも語る。巨匠、14年ぶりのエッセイ集 Amazonより

*56:キャバクラ・ジュビリーのキラキラした世界を支えるのは、地味にスゴイ、こんな裏方たち。読めば必ず気持ちが上向く異色お仕事小説! Amazonより

*57:SNSに彩られて、恋人、夫婦、親子関係に新たな変化が兆している――“その先の生き方”に気づいていく人びとを活写する6篇。Amazonより

*58:何をやってもうまくできない紙屋が家族のコネを使って就職したのは老舗の製粉会社。唯一の特技・文を書くこと(ただし中学生の時にコンクールで佳作をとった程度)と面接用に読んだ社史に感動し、社長に伝えた熱意によって入社が決まったと思っていたが――配属された総務部では、仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。ブロガーの同僚・榮倉さんにネットで悪口を書かれながらも、紙屋は自分にできることを探し始める。一方、会社は転換期を迎え……?会社で扱う文書にまつわる事件を、仕事もコミュニケーションも苦手なアラサー男子が解決!? 人の心を動かすのは、熱意、能力、それとも……? いまを生きる社会人に贈るお仕事小説。e-honより

*59:「犯人はここにいる全員です」――リゾート旅館の総支配人が惨殺され、従業員6人が自首した。だが、彼らの供述には「あやふやな殺意」しかなく、なぜ被害者が殺されたのかわからない。経営再建を担うキモデブ総支配人、完全違法な長時間労働自己啓発セミナー、従業員が慕う妖艶な美人女将……容疑者達の供述からは予想外の事実が浮かび上がってきた。第一回大藪春彦新人賞を受賞した奇才が放つ衝撃の犯罪小説!e-honより

*60:「今日は、で〜れえ暑いねぇ」。 岡山弁が飛び交う奉還町商店街で、雑貨カフェ「セワーネ(岡山弁で大丈夫という意味)」を営んでいるあゆみ。 夫の雅彦は毎日大忙しだ。福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの失神。早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。妻のためだ。 一昨年に発見された乳がん。手術も治療も順調だが心配でならない。雅彦の行動はすべてあゆみを元気づけたい一心からだ。 雅彦の愛の“暴走”は日々加速する。そしてある日、雅彦はあゆみのために“で〜れえ(すごい)”ことを思いついた!!  ユーモラスな筆致ながら、夫婦や家族のあり方を問う、川上ワールド全開のハートウォーミングな家族小説。 あなたはここまで妻を愛せますか!? e-honより

*61: “悪王女”鮎子が生きることの意味を探す、究極の純愛小説。画家を父に持つ鮎子は、逆子だったため帝王切開で生まれた。一度お腹を開くと次から自然分娩はできない。出産が一番の快楽だという母は、それを奪われたとして鮎子を責めた。 両親の画才を受け継いだ鮎子は東京藝術大学に進学し、京都から上京する。ある日、藝大の裏山でイボテンと名乗る男と出会い、ひょんなことから関係を持つことに。それ以後、四六時中、セックスばかりの毎日を送るようになる。そんななか、夏休みに帰省することを告げた鮎子を、イボテンさんは殴って出ていった。 鮎子は、実家で小説家の我謝さんと会い、彼の故郷である沖縄で共に夏を過ごす。そして大学に戻ったとき、イボテンさんが自殺したことを知った。突然の“不在”に足元から崩れ落ちるような感覚に陥る鮎子。 こっそり忍び込んだ彼の家には、キャンパスに描かれた裸の鮎子が残されており、なぜだかその絵に釘づけになってしまう。そして鮎子は思いもよらずその絵を盗み出す。 イボテンさんの存在の大きさと絵を描くことの本質に行き当たり、ひたすら絵を描くようになった鮎子は、ついに自分だけのモチーフを見つけることに……。 若い女性芸術家の視点で描く、濃厚でみずみずしい長編小説。e-honより

*62:ついに柳美里が演劇の世界へ戻ってきた! 20年の時を超え「青春五月党」が再始動。表題作&新作戯曲「町の形見」に加え、福島を舞台にした「静物画2011」「窓の外の結婚式」を収録。Amazonより

*63:思い出してはいけないモノ、撮ってはいけない写真、曲がってはいけないY字路、見てはいけないURL、剥がしてはいけないシール……読み進めるほど後悔する、13の恐怖と怪異の物語。e-honより

*64:自殺者が集まる世界でかつての恋人を探して旅する表題作のほか、ホロコースト体験と政治的緊張を抱えて生きる人々の感覚を、軽やかな想像力でユーモラスに描く中短篇31本を精選。e-honより

*65:一昨年結婚した後、自殺未遂をして一ヵ月以上メールも繋がらない――そんな二十七歳の女性の行方を追う「絶対零度」ほか二篇を収録。Amazonより

*66:舞城王太郎が描く「家族」の愛と不思議。e-honより

*67:舞台は名古屋。元裁判官の静おばあちゃんと不動産会社のワンマン経営者が事件を解決していく。e-honより

*68:夏の海に浮かぶ氷付けの屍体! まっ白な雪原に浮かぶ妖精の足跡! 開けた採石場跡地で発見された奇妙な転落屍体! 不可能犯罪連発の奇想ミステリー劇場開幕!! 警視庁の刑事である小倉亜季。亡くなった兄が自宅に匿っていたのは親友でもあり三人を殺害し指名手配中の久能だった。兄の遺志を受け継ぎ久能を地下牢に匿ったが、亜季によって外界との接点を遮断され暇をもてあました久能は亜季の知る不可解な事件の謎を要求してきた。Amazonより

*69:運命相手に、伸るか反るかの大勝負。直木賞『流』の著者、初の幕末小説! 文久三年。殺し屋・夜汐に命を狙われるやくざ者の蓮八は、身を守るため壬生浪士組の一員となった。だが、愛する幼馴染みからの文は、蓮八を江戸へと呼び戻す。新撰組を抜け、命懸けで女の下を目指す蓮八を導くは?e-honより

*70:人と人の組み合わせの数だけ、物語がある―― 読めば心が軽くなる傑作集! バツイチ七歳年上の彼女との 距離がなかなか縮まらないのは、彼女が“牛男”と暮らしているせいで……(「僕と彼女と牛男のレシピ」)。人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。e-honより

*71:滝本竜彦復活!ボーイ・ミーツ・ガールを超えた異次元恋愛ファンタジー! 旧校舎の部室に異世界からのゲートが突如開いた。驚く僕の前に、猫耳の探索者と闇の吸血鬼、そして光の天使が現れる。彼女たちは世界を救うある使命を担っていた。少年の運命の出会いと目覚めの物語。e-honより

*72:現役医師作家が、高齢者医療の実態に迫り人間の欲望にメスを入れる問題作! 介護施設「アミカル蒲田」で入居者が転落死した。ジャーナリストの美和が虚言癖を持つ介護士・小柳の関与を疑うなか、第二、第三の事件が発生する――。高齢者医療の実態に迫り、人間の欲望にメスを入れる問題作!e-honより

*73:死んだはずの少女から掛かってくる電話。いったいこれは何なのだろう……。霊界の真実を伝えたい、著者からの渾身のメッセージ。Amazonより

*74:無類の恋愛小説家が辿り着いた最初で最後の「はつ恋」の物語。恋愛小説の名手として名高い村山由佳氏、作家デビュー25周年記念作品。e-honより

*75:『鴨川食堂』の次は、当館へお越しください 海野美咲が半年前から若女将をつとめる静岡県伊東市の旅館は、海が近いだけが取り柄で、サービス、施設ともにいまいち。お盆休みのピーク期でも満室にならない体たらくが続いていた。名女将だった母に、おんぶに抱っこだった父も兄も頼りにならない。それでも宿を一生懸命切り盛りする美咲に、不思議な出会いの数々が訪れる。あなたの働く気持ちを後押しする“おもてなし”小説! --お客さまはけっして神さまではありません。でも、ときどき神さまがお客さまになってお越しになることはあります。Amazonより

*76: 息を呑む頭脳戦、怒涛のアクション、かけがえのない絆。エンタメの全てがここにある! 累計85万部突破の大人気シリーズ堂々完結。Amazonより

*77:サリンジャーと同時代に活躍し多くの作家に影響を与えた短篇小説の名手の全作品から、村上春樹が二〇篇を厳選して翻訳!解説対談付。Amazonより

*78:家族との情愛と葛藤、成熟への恐れと期待、世界との繫がりと孤独――後のノーベル賞作家の鮮烈なデビュー短篇集。Amazonより