9月新刊備忘録

*1:このミステリーがすごい! 2009年版」海外編第1位『チャイルド44』続編! 凍てつくシベリアから――、燃え盛るブダペストへ――。運命の対決から3年――。レオ・デミドフは念願のモスクワ殺人課を創設したものの、一向に心を開こうとしない養女ゾーヤに手を焼いている。折しも、フルシチョフは激烈なスターリン批判を展開。投獄されていた者たちは続々と釈放され、かつての捜査官や密告者を地獄へと送り込む。そして、その魔手が今、レオにも忍び寄る……。世界を震撼させた『チャイルド44』の続編、怒濤の登場!公式

*2:東欧を貫く復讐の雷光! 凍てつくシベリアから――、燃え盛るブダペストへ――。レオに突きつけられた要求は苛酷をきわめた。愛する家族を救うべく、彼は極寒の収容所に潜入して、自ら投獄した元司祭を奪還する。だが、彼を待っていたのは裏切りでしかなかった。絶望の淵に立たされ、敵に翻弄されながらも、レオは愛妻ライーサを伴って、ハンガリー動乱の危機が迫るブダペストへ――。国家の威信と個人の尊厳が火花を散らした末にもたらされる復讐の真実とは?公式

*3:癒えることなどないのか? はるか昔の一家皆殺し事件が17年たった今心ひかれあう2人の大学生にのしかかるなんて―― 死刑や裁判員制度をも問う心ふるえるミステリー! 17年前に殺された弁護士一家の遺族は、いまも「傷痕」をかかえて生きている。主犯格と裁かれた男は死刑になったが、共犯者が仮出所してあらわれてきた。そんなとき、加害者の血をひく大学生が、友人に誘われて出かけた法律サークルの会合で出会い好きになってしまった女子大生は、被害者の1人とおなじ「五条香子」という名前だった――。2人の出会いが、やがて悲しき事件をまきおこす。そして、新たな「傷痕」が……。加害者側にも被害者側にものこる哀しみを描いた、心ふるえるミステリー!公式

*4:驚愕と衝撃!圧倒的感動! 「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら――」 涙がとめどなく流れる――。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」彼女は言う。苦しみを、弱さを受け入れたわたしたちこそが正義なのだ、と。彼は言う。できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎないのだ、と。ただあてのない涙がぽろぽろとこぼれ、少年の頬を濡らす。少年の、痛みを抱えた目に映る「世界」に、救いはあるのか――。公式

*5:小説家の父をもつ綾瀬文香17歳の問題は、まったく経験がないことだ。スケバン(死語)玲子の運転するレガシーで走る夏の北海道で、彼女の人生は大きく動きだす。本やタウン

*6:ラジオパーソナリティの真生のもとへ届いた一通の手紙。それは他界した父が生前、彼女へ書いた手紙だった。10月映画公開の感動作。本やタウン

*7:刑事課勤務の辻本美紀は、ある日暴漢に襲われる。事情聴取されるうちに、想像を絶する意外な真実に気付く。迫真の警察小説、第2弾。本やタウン

*8:幼女殺害事件に挑む新米刑事。事件解決に傾ける情熱が、大きな疑惑に突き当たっていく。犯罪被害者の遺族として。乱歩賞作家の受賞第一作ミステリー。本やタウン

*9:愛娘を亡くした痛手を癒すべく島に移り住んだ女性を見舞った想像を絶する危機とは? 平凡な女性の勇気と再生を圧倒的な緊迫感で描き出す「ジンジャーブレッド・ガール」、静かな鎮魂の祈りが胸を打つ「彼らが残したもの」など、切ない悲しみから不思議の物語まで、天才作家キングの多彩な手腕を大いに見せつける傑作短篇集。公式

*10:山奥の廃校に迷い込んだあかねたちを待ち受けていたのは、被害者が入れないクローズドサークル!!公式

*11:鮎川哲也賞受賞作家がとてもユニークな本格ミステリを引っさげて、講談社ノベルスに登場!公式

*12:ランス大聖堂で二人の死者が。芸術探偵・瞬一郎×海埜刑事の凸凹コンビが謎に挑む。公式

*13:伏線、伏線また伏線! 奇怪なトリックに驚愕すること間違いなし!公式

*14:若手刑事・伊瀬は、いわくありげなベテラン刑事と、とある事件の捜査を命じられるのだが──!?公式

*15:自称発明家がタイムマシンで殺し屋の犯行現場を目撃したと語る表題作、MWA賞受賞作「エミリーがいない」他、全十四篇。『このミステリーがすごい!』第一位に輝いた、短篇の名手ジャック・リッチー名作選。公式

*16:法律の勉強のために上京したフレデリックは、帰郷の船上で出会った人妻に心奪われ、一途に彼女を慕いながらパリで暮らしていく。革命下のパリで生きる夢見がちな青年と、彼を取り巻く四人の物語。

*17:美しき人妻、高級娼婦、社交界の名花、可憐な田舎娘。四人の女性に愛されながら、夢のような恋を求める青年が、純真さとひきかえに少しずつ成長する物語。『ボヴァリー夫人』とともに名訳で贈る小説の最高峰。

*18:〈想像力の文学〉造形家・木根原の娘・理沙が昏睡状態に陥ってから九年、東京ではハイテク機器が暴走し、巨大な蜘蛛が跋扈していた──『妖都』『ペニス』の希代の幻視者が、テクノロジーと生命の交錯を描く連作長篇 公式

*19:第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作『屋上ミサイル』で、読者から熱い支持を受けた新鋭による、最新作が登場。受賞後第1作目は、前作同様の爽やかな青春エンターテインメント! 6年1組にやってきた関西弁の転校生「てつじん」と、その仲間たちの、友情と勇気の物語。「世界を変えるために、行動する」が信条の鉄人のペースに巻き込まれ、内向的な少年・太一や、乱暴者でクラスの王様・和馬は、いくつかの騒動に巻き込まれていく。親友の仇をうつため、町で頻発していた通り魔事件の犯人を追うことになった鉄人たちだったが、事件は意外な全貌を見せ始め……。7&Y

*20:精神科医・ランシャウに届いた一通の不思議なメール。自分の存在が消されていた、という告白に過去の殺人事件の記憶が蘇るが、同じ大学で新たな事件も発生する。本やタウン

*21:日本に4万4千あるあの神社は、すべて我等より奪われたもの。白髪の作家が千葉の建売りで見た、真夏のミル・プラトー1500年史。本やタウン

*22:子どもだって、探偵できます。ほのぼのユーモア・ミステリが、新訳で読みやすくなりました。カーステアズ家の子どもたち、14歳のダイナ、12歳のエイプリル、10歳のアーチーは、勇んで探偵に乗り出した。お隣りのサンフォード家の奥さんが射殺されたのだ。でもおかしい。銃声は二発聞こえたのに、被害者が撃たれたのは一発だけ。そしてサンフォードさんの旦那さんも姿を消して……ミステリ作家のお母さんを有名にするために、子どもたちの大活躍が始まった!  ほのぼのユーモアたっぷりの本格ミステリ、新訳で登場。公式

*23:NY着陸後、突然沈黙した777機。バイオテロを警戒し突入したCDC特別班は、客席を埋めつくす死体を発見する。人類を脅かす悪疫の始まりだった――アカデミー賞監督が描く今年最高のスリル。公式

*24:〈ハヤカワ・ミステリ1828〉親友のレストラン経営者が何者かに射殺され、次いで養女までも……事件の真相をつかむため、ネロ・ウルフが雄々しく立ち上がる。故郷モンテネグロを舞台に名探偵が活躍する、シリーズ異色作登場

*25:池袋ウエストゲートパーク』をはじめとする全著作の中から、心を揺さぶられる珠玉のフレーズを抜粋。現代感覚の名手・初の箴言集。本やタウン

*26:静かな地元の田舎町で不審死が続発。ペニーフット・ホテル関係者がふたりも疑われ、女主人セシリーは黙っていられず調査をはじめる。古き良き英国の香り漂うシリーズ第2弾。 公式

*27:凍った川に沈んだ車の中には惨殺死体が。翌日大聖堂の屋根の上で発見された白骨死体との繋がりとは? 敏腕記者が事件を追う。CWA賞受賞作家の英国本格派新シリーズ登場。 公式

*28:公安部外事一課の倉島警部補が、殺人事件の捜査本部に呼ばれた。殺しの手口はプロ。さらに数日後、ロシアとの密貿易を資金源にしている暴力団員も殺された。捜査を進めるうち、第三、第四の殺人も起こる。実行犯は元極東ソ連軍の特殊部隊に所属していた人物と推定されたが、はたして犯人の目的は何なのか……。いま一番乗ってる警察小説の書き手である著者の最新作。既刊の『曙光の街』『白夜街道』では公安の仕事に馴染めずにいた倉島が、本作では公安部の警察官としての矜持(きょうじ)を自覚します。一人の男の成長譚としても読みごたえ充分です。(YB) 公式

*29:時代に挑み続ける作家・桐野夏生氏、初の対談集。直木賞を受賞した1999年からこの10年の間で、選りすぐりの12篇を収録。対談の相手は、林真理子小池真理子重松清といったエンターテイメント系の作家から、柳美里松浦理英子といった純文学系作家、はたまた佐藤優原武史といった言論人から気鋭の映画監督・西川美和まで、多彩な才能が桐野氏と火花を散らします。テーマは、文学論はもちろん、女性論、皇室論といった硬派系から「好みの男のタイプ」までと、これまた多彩。知的刺激満載の1冊です。(ON)公式

*30:法律事務所に勤める主人公・青木はある日、駅の地下道で2人組の「女子高生」に声をかけられる。そのまま駅ビルの駐車場に連れ込まれると、沙希に羽交い締めにされ、亜佐美に「急所」を蹴り上げられてしまう。その翌週、電車で2人を発見した青木は尾行をし、やはり急所を蹴り上げられる。やがて青木は「急所からダイレクトに鉛の玉が体内を通過して脳下垂体へ直撃するような感覚」に打ち震え、亜佐美のマンションを訪ねるのだった――。倒錯した性=生を表現した第140回芥川賞候補の表題作「潰玉」にくわえ、新作「歓び組合」を併録。(KN)公式

*31:気炎高らかな女の底力・人生力を集結。物事の本質に迫るユーモアたっぷりのエッセイは何度読んでもおもしろい。本やタウン

*32:この世は、どれほど恋い焦がれても尽きることのない魅力に溢れ魅了し続ける。待望の人気シリーズ6冊目。本やタウン

*33:30歳。女子にはいつも、見えない壁がある。結婚、仕事、家族、恋人、学歴、出産。そして、娘たちは、事件に巻き込まれていく。本やタウン

*34:10年前、少女に何が起こったのか。連れ去り事件の謎が解けるとき、また新たな悲劇が訪れる。感動の青春サスペンス。書き下ろし。本やタウン

*35:警視庁特捜一係刑事、次々死す。彼らが手がけた事件はアンタッチャブルだったのか。誉田哲也が描く圧巻警察小説。本やタウン

*36:池永版・捕り物帖。ホロリとさせながら、人間の深奥に迫る時代小説。本やタウン

*37:なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。 「パレード」「悪人」の吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。7&Y

*38:静かに吠える猟犬のように事件を追う女刑事連続乱射事件の真相は。義指の警視庁捜査一課特殊班・呉内冴芭は、犯人の心中を澄んだ意識で見通し、真相に迫る。本やタウン

*39:祖父の危篤の報を受け、〈僕〉は遠縁の歩美とともに父の故郷・北海道へ渡る。若き日に関西に出奔した父は、金儲けを企てては失敗し、母にも愛想を尽かされ、もう何年も音信不通のままだ。親族に促され父を捜す〈僕〉は、記憶をたどるうち「北海道とナイチ(内地)」で父が見せた全く別の面を強く意識しだす。海峡を越えて何を得、何を失ったのか、居場所はあったのか。それは30を過ぎても足場の定まらない自身への問いかけへと重なってゆき……。北海道と関西の空気を見事に織り込みながら、現代の父と息子の不確かな繋がりをとらえてみせる意欲的な長篇です。(YH)公式

*40:誰もが彼を知っている……腐ったにおいを漂わせ、アパートの地下に住む異様な<洋梨男の男>におびえる女性の心理を描いた表題作他、ネビュラ賞ローカス賞ブラム・ストーカー賞受賞の全6作を収録。公式

*41:日常を突き破り、ちぎれそうに痛む心。魂を燃やしつくす禁断の恋愛小説集!骨に染みいり血が滲む、絶壁のような険しい孤独。追い詰められた魂。私は愛してはいけない人を愛してしまったのか――。能楽のストーリーにインスパイアされた物語3篇をつむぐ傑作恋愛小説集!公式

*42:中学1年のサトの町のお祭りでは、「子」の字が書かれた石を見つけた子どもの願いがかなうという「ねずみ石」のイベントがある。本やタウン

*43:民俗学を専攻する赤鳥美晴は、遠海市の周辺で語られている「電氣人間」を研究のため探索する。しかし、彼女は感電死体で発見される。本やタウン

*44:日本橋の片隅で発見された40代女性の絞殺死体。「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。本やタウン

*45:ドラフト同期、ともに今季限りで引退するベテラン投手&捕手。彼らにとって最後のシーズン、ドラマチックなひと夏の激闘を描く。本やタウン

*46:親友の父親に恋する女子大生、亡き恋人を忘れられない恋愛小説家、恋を信じないマジシャンらが織りなす6つの「ありえない」恋物語本やタウン

*47:岩手県・雲上峠展望台のベンチに置かれていた生首。地元の名士を残忍な手口で殺害したのは誰か。次の殺害予告は岩手県選出の国会議員にまで及ぶ劇場型殺人へ発展、全国に厳戒態勢が広がる中、事件は思わぬ方向へ――公式

*48:国家神話とは何か、ストーリーで徴税、キャラクターで徴兵をするためのものだ! 国を追われ、来歴を消され、名前を奪われ、真実を消され……白髪の作家が千葉の建売りで見た、真夏のミル・プラトー千五百年史。公式

*49:季節外れの花粉症の原因は床材の杉にあった。普通の秋田杉が、なぜ花粉症を発症させるのか? その鍵は十二年前に失踪した修造のメモにあった。大幅改稿で贈る傑作ミステリ。公式

*50:ミステリ好きの集うサイト〈猟犬クラブ〉。そのBBSの書き込み通りに、少女が殺された。〈キャット〉と名乗る人物の予告めいた書き込みの度、次々起こる殺人事件の真相は? 期待の新人登場。 公式

*51:青森県警の似顔絵捜査官・杉澤と、警視正・成瀬が核処理施設反対テロを捜査する。末浦広海の乱歩賞受賞後第1作は、警察「捜査」小説。本やタウン

*52:上原菜月・38歳は不思議な同好会に参加するようになり。人との関わりで感じる小さな戸惑いを掬い上げる深遠にしてコミカルな長篇。本やタウン

*53:昨年、『田村はまだか』がベストセラーとなり、また、同作で2009年吉川英治文学新人賞を受賞して注目が集まっている著者・朝倉かすみの最新短編集。豊崎由美氏や松田哲夫氏が今もっとも期待する作家であり、書店員の人気も高い(2009年度本屋大賞『田村はまだか』23位)。今後、文学賞も含め大きな可能性を持つ著者の、集英社から初めての単行本。 愛らしい容姿に恵まれ、大人たちにちやほやされる「わたし」。いっぺん子犬を助けてみたい、という欲望が、ある日、隣家の子犬をさらって雨中に捨て、また拾うという行為に駆り立てた。結果、「かわいいあの子は気も優しい」と、町内の評判は高騰。自作自演を目撃した同級生の守彦は、その数日後から「わたし」をストーキングし始める。「おまえはおかしなことをしている」「自分はそれを容認している」、そんな共犯関係は、「わたし」が成長し、器量が落ちていくにしたがって狂い始める……。(「どう考えても、火夫」)その他、小さないなかまちの町会議員アイドルとして華のある人生へ再チャレンジを賭ける女(「いつぞや、中華飯店で」)、カード破産しながらも「なんとなく断然素敵」なロハス生活を実践するカップル(「素晴らしいわたしたち」)など、自らの器、身の丈に直面し、乗り越えようとあがく人たちの哀しみ、しんとした狂気を描く、傑作短編集。e-hon

*54:〈ハヤカワSFシリーズ Jコレクション〉西暦二〇八三年、接近する新天体により、地球は壊滅する運命にあった。天才少女・魅波は人工意識コンパニオンのマイカとともに、地球を救う大計画に挑む??実力派が満を持して贈る本格宇宙SF 公式

*55:「これが恋というものなのだ」。男は私の心臓を丸呑みにして、そう言った。虜になった私は、11名の女と共に僕となった。ところが13番目の少女だけは違っていた。なぜなら彼女は……。名手が放つ耽美なるホラー!公式

*56:少年は別居中の母から自転車「チャリオ」を贈られた。祖父母に遠慮して捨てたが、幼なじみが「チャリオ」を買ったことに激しく嫉妬する。数日後、その幼なじみは「チャリオ」に乗ったまま行方不明になってしまった…公式

*57:〈現代短篇の名手たち4〉生きていたプレスリーが老人ホームでミイラ男と対決! 比類なきユニークさを誇る12篇 公式

*58:衝撃の芥川賞受賞作「ハリガネムシ」から6年、極めつけの超傑作=問題作登場! 屋根に全裸女(実はマネキン)と血塗(ちまみ)れの手(ハリボテ)を突き立てる奇怪な男、45歳・作家(いちおう)・独居(たぶん)。古ぼけた借家に彼が越してきて以来、ありふれた町はとんでもないことに。怖気と爆笑を交互に喚起する快作です。(OM)公式

*59:「風化する女」で文學界新人賞を受賞しデビュー。確かな読者を開拓しつつある途上で現れた傑作短篇が「月食の日」です。芥川賞候補にもなり、選考委員の賞賛を浴びましたが、惜しくも受賞には至りませんでした。盲目の友人との交流を乾いた文体で描くのですが、視点がめまぐるしく切り替えられるのが特徴です。その視点の変化を注意深く辿ってゆくうちに小説世界に深く引きずりこまれていきます。テクニカルに書かれていながら、小説世界の比類なさで心をわしづかみにしてしまいます。併録の「たそがれ刻はにぎやかに」もちょっとレトロな雰囲気の魅力溢れる作品です。(OS)公式

*60:日本でテロリストと闘うのは「外事警察」(ソトゴト)と呼ばれる者たちである。国家の危機管理の有り様を問う、書き下ろし長編小説。e-hon

*61:事故で片腕を失った「わたし」は、仕事を引退、フロリダの小さな島に移り住む。波と貝殻の囁きを聴きながら静かに暮らす「わたし」だったが、徐々に島に潜むこの世ならぬものの影が……。やがて牙を剥く悪しきものの底なしの悪意。それは「わたし」の愛する者たちを容赦なく斃(たお)してゆく――。『シャイニング』や『呪われた町』の恐怖ふたたび! 真綿で首を絞めるような恐怖と容赦ない怪異に、円熟の筆による感動が加わった、恐怖の帝王の会心作。月光照らす海岸での最後の対決は悲しく切なく、涙なくしては読めない名場面です。(NS)公式

*62:人間が持つ、明と暗、優しさと毒、幸福と恐怖。それらは隣り合わせにある。そんな風景が歪む一瞬を切り取った、9人の女性と1人の男性を主人公とする連作集。本やタウン

*63:17年前、弟を湿原に奪われた松崎比呂は刑事となって札幌から釧路に帰ってきた。その直後、釧路湿原で他殺死体が発見される。比呂は消えない「眼」の因縁に巻き込まれてゆく。本やタウン

*64:著者初の神話モチーフのファンタジー小説。神様たちの織りなす6編の話と書き下ろしを収録。表紙はCLAMP本やタウン

*65:今度の舞台は政治の世界だ! 曲者候補者に殺し屋コンビ、私立探偵……強烈な個性の面々が入り乱れ、場外乱闘を繰り広げる、狂乱のカリフォルニア州知事選の結果やいかに? 公式

*66:相次ぐ子ども殺害事件とそれに伴うユダヤ人迫害に揺れる、1171年のケンブリッジ。問題解決のため、優秀な調査官と女性検死医が招聘される。CWA歴史ミステリ賞受賞作。 公式

*67:子ども殺害事件の捜査中、忌むべき殺人者から手痛い一撃をこうむる検死医アデリア一行。彼女たちは事件を解決できるのか。CWA最優秀歴史ミステリ賞受賞の、堂々たる傑作。 公式

*68:次の標的は、気の強い美人令嬢。怠惰に暮らすジゴロのネヴィルは、「共犯者」の指示のもと、一攫千金に向けて着々と計画を進めるが……巧手が策を巡らせる異色の本格推理!公式

*69:町村合併でできた人口12万人のゆめの市。古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人――社会福祉事務所で生活保護支給業務に就く相原友則、東京生活を夢見る女子高生の久保史恵、詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、スーパーの保安員をくびになり、新興宗教に救いを求める堀部妙子、県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一――が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。奥田ファン待望、『最悪』『邪魔』以来となる渾身の群像劇です!(YB)公式

*70:ダイ、ナオト、ジュン、テツロー――あのベストセラー『4TEEN』の少年たちが帰ってくる! ぎこちない恋、初めての裏切り、仲間の死、少しだけリアルに感じられ始めた未来の自分……。16歳にしか訪れない一瞬の輝きを鮮やかに切り取る、永遠の青春小説。公式

*71:主人公は東京に暮らす若い女性・神田憂。家を出て精神科へ行こうとする彼女は、なぜか毎回様々な小事件に巻き込まれ、どうしても目的地へたどり着けない。そこにカイズ、ウツイという2人の謎めいた男が登場する。女1人と男2人の謎めいたトライアングルの行方は? エロティックでシュールでユーモラスなこの連作短編集は、神田憂の饒舌な一人称が心地よいトリップ感を与えてくれます。「蛇にピアス」の衝撃的デビューから6年、金原ひとみさんの新たなる傑作の誕生にご期待ください。(NK)公式

*72:家に若い男が出入りするようになって、妻が優しくなり、スープの味は何故か濃くなった。彼は、妻の恋人なのかもしれない――。フランスでの移民問題を描き、既に仏訳刊行が決定の話題作! 多彩な分野で世界的に活躍する著者の作家生活20周年記念作品。公式

*73:「今、見ているものとか、ここにあるもの全部。お父さん。桐子。みーんなかけらだ」――二人で参加した日帰りさくらんぼ狩りツアーで桐子が眼にした父の意外な顔……。川端賞を最年少で受賞した「かけら」を収録。他人との微妙な関係を端正に描く珠玉の短篇集。公式

*74:廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属する穂村チカと上条ハルタ吹奏楽部の甲子園「普門館」を目指して日々練習を重ねる二人に、難事件が? 話題作『退出ゲーム』待望の続編!公式

*75:空から落とされた無数の黒い犬が戦争を終わらせた。悲しみによって空腹を満たすため、私は図書館に篭る父親の元へ通い続ける。歪んだ家族の呪われた絆を描く力作。本やタウン

*76:名探偵ホームズとワトソン博士の新たなる冒険がいま幕を開ける!本邦初訳となる、イタリア発シャーロック・ホームズ傑作パロディ短篇集。「十三番目の扉の冒険」「予定されていた犠牲者の事件」ほか全七編を収録。7&Y