女神記/桐野夏生

女神記 (新・世界の神話)

女神記 (新・世界の神話)

 面白い。
 が、なんとも報われない話であった。
 結局のところ、裏切られ、傷ついた女神は、男神に復讐をして満足したのであろうか。自分とは全く係わり合いのない超越したところの話なので、いくらそれが男女の愛憎を描いていても、所詮は他人事。
 神話ということであっさりした記述が意外と合っているのだが、桐野夏生のどろどろした話は、やはり現代的なほうが面白い。