- 作者: 仙川環
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/08/26
- メディア: ハードカバー
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正直、当事者でもなければ、代理出産なんて他人事なのである。いくら考えても、なにがなんでも自分と血の繋がった子を持ちたいと思う人の心が、分かるわけがない。不妊治療なら、もしかして自分の子を持つことが可能かもしれないと、希望を持つことができる。だが、子宮癌により子宮を摘出してしまった女性には、誰かに産んでもらうしか道はないのである。だからといって、自分の幸福のために誰かに圧力をかけることは許されることではない。義妹の視点を読むにつれ、彼女の心情は痛いほどよくわかるし、やるせなく思う。一つ言えることは、いったん生まれてきた子に対しては、愛情を注いで全力で育てるべきである。親になったのであれば、血が繋がってあろうがあるまいが、関係は無い。
代理母を巡って、さまざまな人間模様が繰り広げられており、それぞれの捉え方には考えさせられるものがある。女性なら一気読みなのではないだろうか。
お薦め。