桐野夏生『東京島』

東京島

東京島

 桐野夏生の最新刊『東京島』です。ブックマークもしておきましたが、さすらい人さんの桐野夏生の書評(id:Wanderer:20080531#p3)は本当に久しぶりでしたので、とても興味深く読ませていただきました。そして迷わず購入決定です。
 『東京島』は、戦時中に起きたアナタハン島事件に似ているということを聞いたので興味がありました。ただ、桐野氏の話は実際にあった事件を元ネタにすることが多いですし、興味深い話も多いのですが、『残虐記』のようにときどき合わない話もあるので正直どうしようかなと思っていました。しかし、さすらい人さんの書評で「桐野夏生の面目躍如」「イヤな話を読みたい人には強くおすすめしたい」という言葉で買いに走りました。

 こちらのサイトさんが(http://www.nazoo.org/distress/anatahan.htm)写真付きで解説を書いておられます。それを読むと、実際の事件の女性は24歳で島に取り残されており、32人の男との共同生活で女王のように暮らしていたようです。女性を取り合って殺し合いも行われており、バトルロワイヤルになっていくというのがなんとも。ちょっと引いてしまうところもあるのですが、やっぱり桐野は元ネタがあるほうがいきいきした話になるので、これだけセンセーショナルな事件だと抜群に面白いのではないかと、ほんとうに楽しみです。