- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: 単行本
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前に『わたくし率 イン 歯ー、または世界』 が芥川賞候補になったときに、変なタイトルだなあと思って、川上未映子の顔を見たら美人だったので仰け反ってしまい、本人のブログやら動画が見て回った。美人なのに髪を振り乱して、歌にはヘンなインパクトがあって、これまた仰け反ってしまった。それで気になっていたのだが、イン歯ーってなんだよイン歯ー、って。やっぱりタイトルが意味不明なのでスルーしてしまった。そうしたら、今回の芥川賞受賞である。こりゃやっぱり読まないとマズいべ、と思い直して読んでみた。
いいっす、これ。
妙な文体が、よくわからないながらも脳内をぐるぐるして、たぶんこんなことを言ってるんだろうと思いながら、そうそうわかるわかると、これまた妙に納得してしまっていた。というようなヘンな本。
実際、内容なんてあって無きがごとき。39歳の姉が豊胸手術をするというので下見に、妹の私のところに夏休みに娘を連れてやってくるという、ただそれだけの話。ところどころに娘の日記が挟まれているのだが、これがまた変わった娘で、股から血が出るのが嫌だから生理なんかやってこなければいい、とか、オバサンが今更なんのために豊胸手術をするのか意味がわからない、とか、思春期特有の視点で書きなぐっている。だいたい喋れるのにあえて口を開こうとしないところが、いったいなんなんだコイツと思ってしまう。こんな娘がいたら、そりゃ意味不明の豊胸手術でもやってやろうじゃないのと思ってしまうのも有り得るかも、なんて作者の意図するところから大きく外れて読んでしまったあたくしだった。
で、卵は? それは、ほほう、と思うような壮絶なシーンが待ってます。
皆さん、読んだほうがいいです。オススメ。