- 作者: 今野敏
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: 単行本
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読了まで二週間。読んでは止め、また初めから読んでは止め、を100頁ほど繰り返していたが、さすがに読了しないとマズいだろうと、このあと一気に読んでみた。
一言。このタイトルは詐欺だろ。
特殊遊撃捜査隊という新シリーズらしいが、そもそもバイクで走っているだけのバイク部隊にどんな活躍、あるいは捜査ができるというのだろうか。トカゲ1とか、トカゲ2とか言われたって、ナイスバディのお姉ちゃんはまだしも、相棒の若い兄ちゃんが頼りないし。と、ぶちぶち不満を言っていたら、ほんとに彼らの活躍がほとんどないまま場面が次々移り変わっていったのには参った。一文が短くて会話で状況を説明するあっさり感はいつものことだが、こう視点が変わっていくのは、この分量では混乱する。第一、名前が覚えられないじゃないの。せっかく魅力的な(たぶん)新キャラも出てきたのだから活躍してくれないのでは勿体無い。
3人の銀行員が誘拐されて、身代金が10億。警察側と銀行側、そこに新聞記者と。捜査を掻き乱すしか能のない管理官とか、真摯に取り組んでいく新聞記者などが入り混じって捜査は進んでいくのだが、これが結構面白い。トカゲ以外はキャラが立っているし、それぞれの考えが面白く読めていいのだが、なにせ視点が多すぎる。いったいどこに重点を置いて読んでいけばいいのか迷ってしまうのだ。あらすじを読んでいるわけではないんだから、もっとじっくり書き込んで欲しかった。
で結局、サプライズなしの結末を迎え、ではタイトルにあるトカゲは何をやったのかと、思わず首を傾げてしまった。今回お薦めはしないが、ファンの方は読んでもいいかも。