Rのつく月には気をつけよう/石持浅海

Rのつく月には気をつけよう

Rのつく月には気をつけよう

 ★★★★
 え? なに? どういうこと? 
 ああ!そういうことだったんだ。やられたー!
 いやあ、まさかこういう結末が待っていたとは迂闊にも想像してなかったです。ですよね。石持浅海が単なる日常の謎だけをのんびりと語るわけがないんですよね。
 料理とお酒。この二つの組み合わせで、大学時代の友人3名にゲスト1名を招いて美味しく語ろうという趣旨の短編集である。「悪魔的な頭脳を持った長江くん」の部屋に、「雑学博士の熊井さん」と「一升瓶を一気飲みできる夏美」が、ゲストの話に耳を傾け、わいわいがやがやと引っ掻き回し、最後は探偵役の長江くんが謎を解いていくという、言ってみれば安楽椅子探偵ものである。
 謎自体もほろりといい感じに酔えて楽しいが、料理とお酒の組み合わせ方が絶妙で、とにかく友人達の恋愛心理を上手に解いていくさまは見事といえる。息抜きに気軽に読める読み物としても最適なのではないだろうか。