スペースプローブ/機本伸司

 ★☆
 あまりのぐだぐださに何度も途中で読むのを止めようかと思ったが、ひょっとして「異色のファーストコンタクト」というものが胸躍るものかもしれないと思い、踏み止まった。
 で、読了。
 だあっと、一気に脱力してしまった。
 一言で言うなれば、「ぐだぐだ」。あるいは「理解不能」。もしくは「意味不明」。
 時代は西暦2030年。事は、地球に接近する彗星に向かった無人探索機“こめっと”が《怖くない》《ライト・ビーングー》という謎のメッセージとともに消息を絶ったことから始まる。この失敗でチームリーダーは辞めさせられたが、彼のたっての願いもあり、臣太や香蓮ら宇宙探査局の6名のクルーたちは、謎の物体の存在を確かめるべく、月着陸計画を裏切って“裏ミッション”を敢行することを決意する。
 とまあ、決意するのはいいが、それまでが長い長い。みんなで集まってカラオケボックスにしけ込んでは、ああでもないこうでもないと喋るのだ。およそこんなもの、議論と呼べるものじゃない。もちろん月のずっと先まで行こうとしているのだからテクニカルな議論は必要だろう。だが、モノには限度というものがある。ぐだぐだと感情論ばかり先立って、肝心の宇宙の話にならないというのでは、読者としてはぐったりしてしまうわけだ。
 で、宇宙人は?
 最後の最後まで素人には訳のわからない用語の説明で終始していた。