長野殺人事件
内田康夫
光文社 2007-05-19
asin:4334925537
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★★
ハズレ。
浅見光彦シリーズが大好きで内田康夫のファンだが、これほどつまらなかった作品も珍しい。元長野県知事の田○康夫(あ、伏字にしても意味ないか)という実際の人物を物語の中心にもってきた時点で失敗。実物がちらちら脳裏をかすめるくらいなら問題はないが、読者の頭の中でキャラクターを想像しているところへ、さまざまなメディアに登場している人物がうろちょろされると物語に入り込めない。なんだかんだ言ってても、どうせ大したことはできないだろう、なんて、ね。知事選にヒントを得て、長野オリンピック使途不明金問題の疑惑と解明を軸に、事件に発展させている手腕は買うが、これを読むくらいならばノンフクションを読んだほうがよほど気が利いている。
著作1億冊突破記念作品とのこと。浅見光彦と信濃のコロンボこと竹村岩男警部が共演している豪華キャストにしては、期待していた二人の頭脳合戦もなく、動きのない地味な作品だった。