梶尾真治
光文社 2007-02
asin:4334925332
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★★★★
不思議系のスラップスティック・コメディ。
ホーキング博士に歩いてもらいたい!という壮大な夢を持つ、無名の天才発明家フーテンは、手足に障害があっても脳波でコントロールできるという画期的な医療用補助器具を発明していた。すなわち脳波誘導ボディフレーム、略してBF。すばらしい頭脳を持っているし立派な発明をするフーテンだったが、そこは天才発明家にあるように、彼はちと常識に欠けていた。なので、このフーテンをずっと影でフォローしていたのが、高校時代からの友人、中岡祐介。今までも持ちつ持たれつの関係であった二人だが、フーテンの研究のせいで近所から苦情が出たため、二人は家賃の安い横嶋町の一軒家に引っ越すことにした。ところが、この横嶋町というのがとんでもない町で、二つの暴力団がシノギを削っているという無法地帯だった。当然、住民は逃げてしまって、後に残っているのは暴力団員だけというホラーのような話。居酒屋で気がついたときには時すでに遅し。暴力団員に囲まれてしまっていた。そんなとき、運がいいのか悪いのか、北村組に所属している高校の同級生、ヒロに会ったことから組同士の抗争に巻き込まれ、挙句の果てに、心臓麻痺で死んだ組長を、BFを使って操縦させられるハメに…。
わははは。しっとりしたタイトルと表紙に完全に騙されてしまった。梶尾真治なのでシリアスなドラマを想像していたのだが、くくく。大変楽しませてもらいました。
何も考えずに笑いたい方へ、結構お薦め。