甘栗と金貨とエルム/太田忠司

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★★★★
 表紙カバーが可愛いと思っていたら、まさにそのまんまの内容だった。ミギーさんのイラストがすべてを語っている。
 高校生探偵頑張る、という可愛らしい話、かな。父親が死んで、なし崩し的に探偵業をやらされるはめになった高校生の甘栗くん。依頼者である可愛い女の子も登場してきて、話は気持ちよく進む。失踪したママを探してほしいということだが、これがね、どうも父親は真相を知っているらしいのだ。なんてこったい。じゃあ、父親に聞けよ!と思うじゃないか。
 最後にはどんでん返しもあって、ミステリーと呼べるものだが、いかんせん、それまでがゆるい。可愛いといえば可愛らしいのだが、一人称が「私」といっている爺臭い高校生の視点としては、少し軽すぎるようだ。どうせそんなことだろうと思っていたので、驚きとしてはそれほどでもないのだが、この老成した甘栗くんが痛く気に入ってしまった。シリーズとなるだろうから、これからも甘栗くんをビシバシこき使って動き回らせてほしい。
 面白かった。